2023.07.13
土木・建設業界の変化、将来を見据えた製品の開発と提案
私たちは、建設機械や特殊車両に搭載するワイヤーハーネス・制御ボックス・制御コントローラーを設計・製作しています。直接のお客様は建設機械・特殊車両メーカー様であり、お客様のニーズを把握する為にお客様とのコミュニケーションを活発に行い、建設機械について知識を深め、より良い製品開発や製品品質を高める努力をしています。
「しかし本当にそれだけでいいのだろうか?」
そういう疑問を持つことが最近増えてきました。
この記事ではそんな疑問を発端として、私たちのエンドユーザー様にあたる土木・建設業の方々について理解していくための取り組みについてご紹介します。
エンドユーザー様を理解するために
私たちは建設機械の中身、建設機械メーカー様の調達部門や設計部門の考えについては理解しているつもりですが、「実際に建設機械を使って作業を行っている土木・建設業のオペレータ様や作業者様がどのように使っているのか、どんな困りごとや悩みがあるのか」ということについてはほとんど知らず、考えようと思ったことすらあまりなかったということに気づきました。
直接的ではないとしても、エンドユーザー様の業界動向や求められている機能・性能などは知っておくべきだろうと思い、まずは2023年5月に幕張メッセで行われた『建設・測量生産性向上展 CSPI-EXPO 2023』に行ってみました。
この展示会は、日本国内最大級の建設業界や測量業界の製品・技術が集結する展示会で、当社のお客様である建設機械メーカー様も多数出展されています。また私たちと同様、メーカー様向けの部品を作っている業者様やサービスを提供する業者様も多数出展されていました。
出展品で一番多く目についたものは、IT技術を利用した建設業界のDX化に取り組むもので、人手不足や技術継承などの問題を解決するための様々なソリューションが展示されていました。
土木・建設業界の3Kは過去の話
私は昭和世代の古い人間なので、土木建設業界の『3K(きつい・汚い・危険)』が頭から離れていませんでしたが、それを払拭するような斬新な取り組みが業界全体で進められており、かなり驚かされることも多くありました。
特に目を引いたのが遠隔操作です。数社のブースでは、まるでゲーム機のようなコックピットが設置され、大きなディスプレイに映し出された映像を見ながら、数百km離れた現場にあるパワーショベルを操作し、土木作業を行う様子が展示・実演されていました。オペレーターの女性は、時間差を感じることなく普通に操作していたことから5G通信の速度がいかに早いかということを感じることができました。
その他にもカーボンニュートラルに対する取り組みとして電動化が進められていることや、安全性を高めるために様々なセンサーや監視機器類を駆使したシステムが構築されていました。
実用化・量産化にはまだ少し時間がかかるようなものもありましたが、実際の商品やシステムを目の当たりにし、実演しているところを見ると、技術の進歩を肌で感じることができ、昔マンガや映画で見ていたような現実離れしたことができるようになる世界もそう遠くはない?!と改めて思いました。
当社が製作した部品もこんなすごい商品を作り出すための一部として寄与していると思うと、モチベーションも上がり、大変有意義な展示会見学になったと思います。
エンドユーザー様を理解することの意味
当社の営業・開発部門では、この『エンドユーザー様のことをもっと知る必要があるのではないか』という疑問を発端にして、今までとは違った展示会や交流会にも積極的に参加し、土木・建設業界への理解を深めていきます。
業界の動向や取組み、エンドユーザー様のニーズを理解することによって、これまで『お客様』と捉えてきた建設機械・特殊車両メーカー様だけでなく、土木・建設業の全体像や将来を見据え、より良い製品開発やメーカー様へのご提案を行っていきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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この記事はP&D事業部が執筆しました。