
2025.09.10
時代が変わっても…確実な保守点検の実施により、お客様の安全・安心を守ります
電源装置の施工・保守チームでは、インフラ設備等の要とも言える、
直流電源装置や交流無停電電源装置の定期点検を行っております。
定期的な保守点検を実施することにより、
トラブルの発生を未然に防ぎ、安全・安定した電源の供給が望めます。
今まで数回、電源装置の点検の様子をご紹介しましたが、
今回は作業中に私がちょっと感じた、ノスタルジックなお話を…。
最後の点検
実は今回ご紹介する直流電源装置、今年度中に更新するとのことで、
現在の機器としては今回が最後の点検になるのです。
そういうこともあり、この機器を長く点検を行ってきた私は、
昔からの色々な事を思い出すことに。
今まで何度も、この様な定期点検対象機器の更新はあったのですが、
やはり何となく手を掛けてきた装置とのお別れは寂しいものであり…
あと数ヶ月のご使用となる予定ですが、最後の点検も念入りに行いました。
時代とともに
先ずは蓄電池の現状確認を実施、蓄電池の総電圧、
単電池電圧を測定後、電解液の比重測定を行います。
本装置は『ポケット式アルカリ蓄電池』が採用されており、
比重計による電解液比重測定を行います。

私がこの仕事を始めたウン十年前は、
アルカリ蓄電池・鉛蓄電池を問わず、毎日のように比重測定をしたものです。
しかしながら、電解液比重測定や補水作業が不要な
制御弁式鉛蓄電池を採用した電源装置が増えてくる中、
比重計の出番も随分減ったものです。
もちろん出番が少なくなったとはいえ、重要な測定器として、
弊社では毎年校正を実施して、管理しております。
電解液比重測定後、電解液面位をチェック、
液面が減少しているセルに関しては精製水を補充し、最適な液面に調整します。

更新後の蓄電池は制御弁式鉛蓄電池となる予定のため、
前途の通り、電解液比重測及び補水作業は不要となります。
ここの蓄電池に補水するのも最後かと思うと…。
余談ですが、車を保有されている方、バッテリーチェックは定期的にされていますか?
電解液の過度の減少は、爆発事故を伴う恐れがあるので、気を付けてくださいね。
また、補充に使う水は、水道水等の不純物が含まれた水は使用せず、
必ず不純物を取り除いた『精製水』を使用してください。
でないと、バッテリーの寿命が短くなってしまいます。
詳しくはここを参考にしてください。
最後の清掃も天板の上から隅々まで

整流器を停止後、内・外部清掃、部品・締付チェックを行います。
思えば、この機器がトラブルを起こさずに
無事に役目を果たそうとしているのも、
部品及び蓄電池交換の実施はもちろん、
定期点検の実施による内部チェックや清掃の実施が大きな要因かと。
その甲斐もあり、ご使用20年を超えている電源装置ではありますが、
外観や内部の清掃状況は、非常に良好です。
私の経験上、内・外部共に綺麗に保たれている
電源装置は、トラブルも少ない傾向にありますよ。

機材などの進歩と共に
内部清掃後、整流器を再運転し、直流出力電圧波形観測を行いました。

昔は下の画像の様に、オシロスコープの画面を特殊なポラロイドカメラで撮影し、
紙用ボンドで報告書の雛形に貼り付けてコピーをして…
と、とても手間が掛かる点検項目だったのですが…

今では下の画像の様に、取得した電圧波形データを
パソコンに取り入れて報告書に貼り付けて完了、便利になりました。
測定器も随分と進歩したものです。

因みに古い波形データは、新しい波形データの20年前、
2005年7月に点検をした時のものです。
もちろん今でも『顧客機器カルテ』として、弊社のサーバー内に保存しています。
定期点検をさせて頂いている機器の履歴は、遡って調べられるようになっております。
対象機器の過去の事でも、何かお困りごとがありましたら弊社にご一報を。
最後の点検を終えて…
機器が正常に動作していることを最終確認し、点検を終えました。

今度この機器に逢う時は、機器更新時の予定です。
私が今よりずっと若い頃からの付き合いのこの装置。
今までの色んな事を思い出し、寂しい気持ちにもなりますが、
お客様の大事な負荷装置を守るためには、定期的な機器の更新も必要です。
今までありがとうございました。
古い機器とお別れは寂しいですが、新しい装置を点検するのも楽しみですね。
点検を終えて外へ出ると、北陸新幹線の高架橋が目に入りました。

そういえば、施設周辺の景色も随分変わったものです。
私が此処へ初めて伺った30年程前には、
新幹線がここを通るなんて思いもしませんでした。
時代の流れを感じざるを得ません。
時代は変わっても、弊社ではこの様に最新の技術を用い、
お客様の大切な機器をベストな状態でご使用いただける
お手伝いをさせていただいております。
各種電源装置に関する施工・保守に関しましては、
『安全・安心な品質』の、東亜電機工業へご相談ください。
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この記事はTECS事業部が執筆しました。
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