2026.03.12
ありふれた‘アレ’、ネジについて
とある日の現場にて、若手社員が装置外部の鉄板を留めている
プラスネジをドライバーで締めていました。
‘あッ’という声に私が装置裏に向かうとネジの頭がナメかけていました。
幸いにして、ネジの損傷度合が浅く全く問題はありませんでしたが、
‘この、ありふれたネジとは果たしてナニモノなのか?’
という、何か哲学めいた疑問が湧いてきたところで今回……え、湧いてこない??
まぁそう言わずに、今回はそんなネジの話です…
ネジとは何なのか?
ネジという、‘らせん状の物’自体の誕生は古く紀元前1世紀ごろで、
現在のネジとは全く違う形、目的で誕生しました。
なんと水の運搬、ポンプとして誕生したと言われています。

出典:アルキメディアン・スクリュー – Wikipedia↗
そして時代が下り、今日のネジに似た小型で金属製の物の締結に使用するネジは、
15世紀後半のヨーロッパで一般に普及しだしました。
それまでも同様な金属性のネジはあったようですが、
金属加工技術が未熟であり量産化できず、
また精度も良くなかったようで15世紀に入り
ようやく技術の向上により量産化が進み一般に普及し、
金属製の鎧の締結や時計などの精密器具の製造に使われ出したそうです。
因みに15世紀後半と言うと我が国、日本では戦国時代の真っただ中、
某国営放送の大きな河のドラマであの兄弟が頑張っていた時代です。
日本に伝わった最初のネジは火縄銃の‘尾栓’(銃身の後端にある栓)がネジであり、
これが日本人の触れた最初のネジであると言われています。
では、なぜそこにネジが必要だったか?と言うと
- 銃身は筒であるので製造過程で貫通していないと作れない
- 銃身内を清掃する際に分解できた方が良い
- 分解しやすいが、装薬の燃焼圧力に耐えうる密閉性が欲しい
この‘外し易いが密閉できる物’という、相反する事を叶える目的でネジが使われていました。
これもまた余談ですが、15世紀より遥かに科学技術が進んだ今日でも、
‘外し易いが密閉し易い事’を実現するため、大砲の尾部にはネジが使われています。

マイナスとプラス
そんなネジですが、大まかに分けて2種類ある、
というと横一文字に溝が掘られたマイナスネジと、
十文字に溝が掘られたプラスネジが頭に浮かんだかと思います。
この2種類のネジで歴史が古いのはマイナスネジ、
先に述べた15世紀にヨーロッパで普及した物がマイナスネジになります。
ではプラスネジは?
これは意外なほど歴史が浅く、最初に登場したのはなんと1935年、
アメリカで誕生しました (特許を取って量産された…と言った方が良いかもしれませんが…)。
さて、このプラスネジですがマイナスネジに比べ大きな強みがあり、
それは十字に溝が切ってある事によりドライバーが中心に入りやすく、
ある程度の力を掛けてもマイナスの様に横にズレにくい事。
センターが出しやすく、回しやすい、
力を入れやすい事 (=ある程度大きな力で締付けられる) から
電動ドライバー等の機械で締付ける事に適しており、
効率が非常に向上し物の組立時間の短縮に繋がりました。
生産性の向上に非常に効果のあるプラスネジを量産し普及させた事、
この物作りの根底にあるネジ一つにしても、
強大な工業力を背にした大量生産の国、アメリカらしさを感じずにはいられませんね。
(………えっ筆者だけ??)

現場でのネジ
さて、そんなプラスネジですが様々な大きさがあり、
そのネジの大きさに適合したドライバーのサイズがある事はご存じでしょうか?
一般的に1番から4番までのサイズがあり、数字が小さいほどサイズが小さくなります。

ネジに応じたサイズのドライバーを使用しなかった場合、
上手く嚙み合わず適切な力が加えられない、滑ってしまう等で溝をナメてしまう要因になります。

また、ネジを締めこむ際のトルクもボルトと同じように決まっており、
サイズに応じたトルクで締付ける必要があります。
頭部が六角形のボルトの場合、トルクレンチで締付を行えますが、
頭部が丸いプラスネジの場合はトルクドライバーを使用します。

ネジサイズに応じた締付トルクを設定でき、
締付ける際に設定したトルク値に達すると空転し、
それ以上のトルクが掛からないような仕組みになっています。
端子台、ブレーカ等に電線をプラスネジで締付ける場合、
締付けトルクが不足している場合は電線が緩んで外れてしまう、
接触抵抗が増し発熱し重大な事故につながる事がる恐れがあり、
また逆に締付トルクが強すぎた場合は端子台を損傷させる恐れがあるため
適切なトルク管理が必要です。
プラスネジ、その小さな物一つにしても重大な事故につながる可能性があるため、
適切な工具、トルク管理を行い日々の業務を行っています。
各種電源装置に関する施工・保守に関しましては、
『安全・安心な品質』の、東亜電機工業へご相談ください。
お問い合わせ
省エネ、防災、減災など安心の電源設備に関するお困りごと、課題解決はお気軽にご相談ください。
安⼼な電源設備をあなたのもとへに関する資料はこちら関連ページ
安⼼な電源設備をあなたのもとへ
産業⽤蓄電池や発電システムなど安⼼の電源設備を、設計・施⼯から保守まで⼀貫して提供します
この記事はTECS事業部が執筆しました。
関連記事
おすすめ記事
GSユアサの工場で、お客様自身による立会検査が可能です
作業員全員、蓄電池設備整備資格者!
福井の皆様へ 新たな電源ラインナップを越前がにと共に
人気記事
蓄電池設備の消防法令改正を解説します!
一次電池と二次電池の違いについて
触媒栓って何?いつ交換するの?
蓄電池銘板のセルと個数の関係について解説(注意!)
直流電源装置って何に使うの??
直流電源装置の整流器容量選定について
蓄電池設備には標識設置基準があることをご存じですか?
非常用発電機設置には関係官公庁への届け出が必要です!
バッテリー液が流出!?もしもの時に備えて中和講習!