2022.10.07
‘指で差して声に出し操作する’ たったそれだけで効果がある安全作業の基本動作 指差呼称
今、この記事を読んでいただいているあなたは仮に駅にいるとします。
今まさに電車がホームから出発しようとしている、そんな状況を思い浮かべて下さい。
閉まるドアを車掌さんが指を差して、「よし」と声に出して確認している…
そんな光景を誰しも一度は見た事があると思います。
これは【指差喚呼】といい、‘安全確認のため対象を指さし声に出して行う動作’の事です。
他の言い方には【指差確認】や、【指差呼称】などと言います。
この‘対象を指さして確認する動作’にはどんな意味があるのでしょうか?
え、そんなに違いが…驚くべき指差呼称の効果
例えばあるスイッチを操作する場面があったとします。
‘対象を指さして確認する動作’をするかしないか
これによってどれほど誤りを抑制できるか…
これは※調査したデータがあり効果から言ってしまうと
・何もせずに操作した場合 ⇒2.38%
・呼称だけして操作した場合 ⇒1.00%
・指さしだけして操作した場合 ⇒0.75%
・指をさして呼称し操作した場合⇒0.38%
この様な結果になり、指をさして呼称し操作した場合と、
何もせず操作した場合とを比べると誤り率が6分の1になる、という結果が出ています。
※出典:指さし呼称の効果 検定実験記録(平成8年鉄道総合技術研究所・押し誤り率)
これは対象を指差し、名前を呼称し、その声を自分の耳で聞く事により、
脳が活性化され注意力が高まる事により得られる効果であり、
何せず操作した場合に比べ脳を3倍以上使うと言われています。
また、操作するスイッチ類や監視する計器が煩雑で多い状況ではミスを起こし易い事は言うに及びません。
《計器とスイッチが煩雑な極端な例…
アナログ計器しかない‘漢’感がすごいコックピット、決して嫌いではない…むしろ狂おしい程好き》
‘人はミスを犯すもの’、漠然と各種計器や似通ったスイッチ類が並んでいる状態では、
操作している本人は気を付けているつもりでも考え事や、
騒音等の外的要因、眠気等の生理現象、
さまざまな要因で注意力が低下しミスを犯す可能性は高まってしまいます。
先に例に挙げた車掌さんは勿論の事、電車の運転士や、発電所等の運転員等、
重要インフラの運転等でミスを犯してはならない業務で
少しでもヒューマンエラーを無くすため行う‘安全作業の基本動作’なのです。
点検作業における‘指差呼称’
弊社の業務である《電気設備の点検・整備》ではどうでしょうか?
直流電源装置や無停電電源装置、各種制御盤には様々な用途のブレーカーが盤内に配置されています。
点検作業を行う上で装置を停止する必要がある場合、
盤内のブレーカ―を操作し装置を停止しますが、
その隣に重要な負荷のブレーカーが並んでいる事があります。
また、電源の切替等の操作を行う場合は、操作しなければならないブレーカーのに加え、
操作する手順もあり、ヒューマンエラーを起こしてしまう可能性は十分に考えられます。
もし、操作するブレーカーや手順を間違ってしまった場合、お客様の設備を停止させる、
重要インフラを停止させ社会的に重大な障害を発生させる、
医療関係の設備に至っては人命に係る事もあり、ミスを犯す事はあってはならないのです。
そうさせない為にも点検作業にあたっては、作業する装置の図面を用意し回路を把握、
操作手順書等も用い操作するブレーカーの把握するのは当然の事、
操作する作業員単位でのヒューマンエラー防止の為
`操作対象を指さし、呼称し、操作する‘…指差呼称にて操作ミスを防いでいます。
`操作対象を指さし、呼称し、操作する‘…
簡単かつ単純で、あまり意味のないように見えるこの`指差呼称‘という動作、
しかし実はミス防止に確実な効果がある動作。
‘人はミスを犯すもの’、その事を常に考え、ヒューマンエラー防止の為、
安全作業の基本動作である指差呼称を励行し、
また後進にもこの重要性を教え日々の業務を安全確実に行っていきます。
電源装置、蓄電池、非常用発電機の電気設備の整備・点検は弊社まで、 ご連絡をお待ちしております。
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この記事はTECS事業部が執筆しました。