AIブームの足元を支える ― データセンター時代の「止めない電源」

安⼼な電源設備をあなたのもとへ

はじめに

「AIがすごい」という話は、もう毎日のように耳にします。

ですが、その裏で静かに頭を抱えている人たちがいるのをご存じでしょうか。
電気をつくる人、送る人、
そして、私たちのように「電源設備」を支える人間です。

AIは、とにかく電気を食べます。しかも、ものすごい勢いで。

今回は、AI・データセンター時代に欠かせない“止めない電源”について、
現場目線でお話しします。主役は、私たちの本業である蓄電池直流電源です。

AIは“大食い” ── データセンターの電力が急増中

まず、どれくらい電気を食べるのか。数字で見ると、なかなかの迫力です。

  • 国際エネルギー機関(IEA)の試算では、
    世界のデータセンター・AI・暗号資産の電力消費は、
    2022年の約460TWhから、2026年には最大で約1,050TWhへ。
    たった4年で倍以上になる可能性があるとされています。
    1,050TWhは、日本まるごと1年間の電力消費に匹敵する規模です。
  • 調査会社ガートナーも、
    データセンターの電力需要は2025年に約16%増、
    2030年までに約2倍になると予測。
    中でもAI向けサーバーの消費電力は、
    2025年の約93TWhから2030年に約432TWhへと、
    ほぼ5倍に伸びる見込みだといいます。

ちなみにIEAの2024年の試算では、
ChatGPTへの一問一答に必要な電力は、Google検索のおよそ10倍とされていました
(その後の効率改善で、近年は両者の差が縮小したとの報告もあります)。

——AIは、検索1回ぶんの“軽食”ですんでいた時代から、
問い合わせ1回でも相応の電力を要する“大食い”の時代へ。

その胃袋を、どうやって止めずに満たし続けるか。

これが今、我々に突きつけられている宿題です。

止めないために ── 主役は「蓄電池」×「直流電源」

データセンターは、1秒たりとも止まれません。

止まれば、銀行も、通信も、病院のシステムも、
AIサービスも、いっせいに沈黙します。

だからこそ、「電気が来なくなった一瞬」を埋める仕組みが必要です。
ここで主役になるのが、蓄電池・直流電源のセットです。

① 蓄電池 = “もしも”を埋める保険

停電や瞬時電圧低下(ほんの一瞬、電圧が落ち込む現象)が起きた瞬間、
蓄電池がすかさず電気を送り出し、設備を止めません。

サーバーやPC、ルーターといったICT機器は、
ほんの数秒の停電でもシステムが落ちてしまうため、
この“空白の一瞬”を埋める備えが欠かせません。

蓄電池は、“もしも”のための保険です。

私たちが普段から手がけている産業用蓄電池は、まさにこの保険の役割を担う専門設備です。

② 直流電源装置 = “質のいい電気”を安定して送る土台

電子機器は、実は直流(DC)で動いています。

直流電源装置は、交流を安定した直流に変換し、
機器へ途切れなく供給する“土台”の設備です。

(直流電源装置そのものについては、当社ブログ「直流電源装置って何に使うの??」で
かみくだいて解説していますので、あわせてどうぞ。)

これからの電源は“分散”と“直流”へ

ここからは、これからの時代の話を少しだけ。

最近のデータセンターでは、サーバーごとに電源を持たせるのではなく、
直流給電などの共通電源を分散して配置する「分散電源方式」が広がりつつあります。

電気のムダ(変換ロス)を減らし、一部が壊れても全体は止めない
——そんな“しぶとさ”を狙った構成で、蓄電池・電源業界各社が開発を競っています。

さらに大きな絵で見ると、電力会社の送電網につなぐ「系統用蓄電池」が急拡大中です。

電気が余る時間に貯め、足りない時間に放つことで、
需要と供給のバランスを取る
——AIで膨らむ電力需要を、社会全体で受け止める仕組みづくりが始まっています。

キーワードは、「分散」と「直流」です。

そして、規模が大きくなるほど重みを増すのが、
設備を正しく設計し、正しくつくり、きちんと保守し続けるという、基本の積み重ねです。

規模が変わっても、基本は同じ

「データセンターや系統用蓄電池なんて、うちには関係ない大きな話でしょ?」
——そう思われるかもしれません。

ですが、“止めない電源”の基本は、規模が変わっても同じです。

正しく選び、正しくつなぎ、正しく守る。
蓄電池の劣化を見越して計画的に交換する。
直流電源を安定させる。
瞬断をUPSで埋める。
そして、蓄電池の状態を見守り、異常の“予兆”を早めにつかむ

——近年はGSユアサの「STARELINK」のように、
遠隔監視と予測・予兆技術で蓄電池設備を見守る保守サービスも広がっています。

これらは、受変電用・通信用の蓄電池設備から、
これからのAI時代の電源まで、まるごと共通の“作法”です。

私たちは、産業用蓄電池と直流電源の設計・施工・保守を長年積み重ねてきました。
大きな時代の流れの中でも、足元の一台一台を止めない
その地道な積み重ねこそが、お客様の設備を支える確かな力になると考えています。

おわりに

AIは、これからも電気を食べ続けます。

華やかなのは画面の中のAIですが、それを止めずに支えているのは、
盤の中で黙々と働く蓄電池や直流電源、そしてそれを点検し続ける現場の技術です。

スマートフォン1台のバックアップから、
データセンターのような巨大設備まで
——規模は違っても、電気を“止めない”ことの大切さは変わりません。

電源設備・蓄電池・直流電源に関するご相談、設備の点検・更新、
これからの電源計画まで、東亜電機工業 TECS事業部までお気軽にお声がけください。

引用・参考文献
1.IEA『Electricity 2024』に基づく解説(世界のDC・AI・暗号資産の電力消費 2022年460TWh→2026年最大約1,050TWh、ChatGPTはGoogle検索の約10倍との2024年試算)
https://www.enegaeru.com/explanationoftheieaselectricity2025
https://primestar.co.jp/elcolumn/explosive_data-center/

2.Gartner プレスリリース(DC電力需要 2025年16%増・2030年2倍、AIサーバー 93→432TWh)
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20251119-dc

3.GSユアサ 製品・サービス(産業用蓄電池・電源システム/瞬時電圧低下対策/UPS)
https://ps.gs-yuasa.com/products/

4.GSユアサ 保守サービス「STARELINK」(遠隔監視・予測予兆による見守り)
https://ps.gs-yuasa.com/products/service/

5.分散電源方式・直流給電のトレンド(参考)
https://media.monex.co.jp/articles/-/29301

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この記事はTECS事業部が執筆しました。

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